女性に多い心因性の病で、過食症や拒食症の摂食障害がよくあげられる代表例です。
摂食障害はよく、自分をもっていない未成熟な人に多いとか、母子関係が密接に関係しているとか、女性性を受け入れない「成熟拒否」の人に多く見られるなどといわれている。
まるで摂食障害の女性自身に原因があるようにとらえられ、「摂食障害の発症は自己発見への始まり」などといって摂食障害を美化している本も多く出回っている。
果たしてほんとにそうなのか?
女性を取り巻く社会的な環境も摂食障害に関係してないのか?
そんな疑問からこの記事を書いてみます。
私は、大学で論文を書くためにある女性の精神科医の方にインタビューをさせていただいたことがあった。
その精神科医の方は専ら摂食障害は母子関係と本人の未成熟が原因と主張した。
以下のような感じで・・・
Tカウンセラー (日本 女性)2005年10月31日月曜日午後4時頃
――摂食障害の人の印象についてどのようにお考えですか?
「私が会ってる摂食障害の方は、病院で会ってるんですよ。心療内科、精神科の病院に勤めているんですけど、そこが結構摂食障害に重点を置いている病院で、紹介されてこられる方が多いんですけど、私の印象では、摂食障害の方の、理由というか、自立に関して問題を持ってる方が多いなという印象があるんですよ。」
――自立ですか。
「自分を持つというか。なんか、今までずーっといい子で手がかからない子できた方が多いように感じて、ただその奥には、自分が出せなかったりとか、両親の期待で自分が出せずにいたとか、やっぱりその両親、父とか母や関係において、自分が出せずにいて、その発達課題というか、親を突き放して自分というものを出していきますよね。その中で親を突き放し切れなかったり、今までに人の言うことをきいてやってきたのに、自分が何をしたいか分からなかったりして、そういうところで悩んでいる方が多いなとおもいます。 全体の印象としては、自立に関して、自立したいけれど自立するのが怖かったりとか、出来ずにいたりとか、今まで自分は自分でいいって言う支えが無かったから、「いい子」だと、みんなが褒めてくれたり、両親が支えてくれたりするから、「いい子」っていう自分とは違うものを追い続けて結局、本当の自分とはかけ離れてて、自分はどこにいるのか分からなくなりとか、あと、そういう問題があると食べていたりするときは自分に向き合わなくていいって言う方もいます。」
――摂食障害が女性に多い理由はどのようにお考えですか
「女性のほうが、いい子にしなさいといわれて、いい子にしなきゃいけないというルールみたいなのがあって、男の子のほうだと破天荒にいけるけど、女の子だと従順になるのが美徳という風潮があるような気がしますね。マスコミの影響もあるし、ただ、原因はその人自身の、自分がどうあるかというのが根本にあって、その周りにいろんな社会的な要素があると思います。」
――摂食障害になる女性自身に問題があるとお考えですか
「そうですね。その人がその人らしく生きていく力が備わっていないから、他の事で埋めようとしているのかなぁっていう感じがします。 自分が自分でいいという肯定感が無いとか、いい子でいなきゃとか、人が求める自分であって、自分の求める自分が出来てないから、大人になっていくときに自分が作りきれないという感じですね。きっかけは人それぞれだと思うんですが、根本に持ってる問題は一緒だと思います。きっかけはダイエットであったり、太っているとか言われたり、そういうのはきっかけであって、もともとはその人自身の持ってる自分(が原因)なのかなぁと思います。自己確立の問題が根本にあって、ちゃんと自己確立ができている人はダイエットを途中でやめれると思います」
――自己を自分自身で肯定できなくて、人に認められたとき、初めて自己が確立するという感じですか?
「そうですね。」
――根本の原因はその人自身が持っていると言う感じですか?
「そうですね。原因はその人の持ってる自分が無いと言う空虚感であったり、自分が肯定できないていうことであったり、『自分』という柱が立ってないのが原因だと思います。」
――治療法はどんなものがありますか
[私の働いている病院でやっているのは、グループでやってて、週に一回、家族の人も揃って集まってもらって、摂食障害について勉強して、その次に親の会と本人の会に分かれて、それぞれ親の会は親の会で摂食障害の方の対応について、困ったこととか辛さとか悩みとかを話してもらって、本人の会は本人の会で病気の辛さを話し合ったり、場合によっては精神科医や心療内科医による個人面談やカウンセリングとかをしたりしていますね。」
――それによって何を得ていくことが目的ですか?
「目的としては、『自分』を見つけていくとか、『自分』を肯定していくことです。自分はこういう人なんだとか、その年齢にあった発達課題ができないままでいるから、学校行くんだったら学校、きついところに行かないでも通信(制の学校)とか行って、とりあえず学校に行ってみるとか、それで自分に自信をつけて行ってって言うようなことかなぁ・・自分が自分であることに自信を持つこと、でもその前にはね、親との関係とかいろいろ」
--親のほうにも問題があるとお考えですか?
「その子にとってのいい親ではなかったというか、普通にちゃんと育てていたんだと思うけど、その子のニーズにはまっていなかったから、ずれが生じて、今もう一回、そのずれを修正しましょうという感じで、親が悪いというとあまりにもあれだから、その子のニーズと親のニーズにはまっていなかったというかんじですね。摂食障害の本人が本当はもっと甘えたかったんだけど、親がきびしくしたりとか、それでいい子もいるんだろうけれど、その子のニーズにあっていなかったから、それを修正していくお互い修正していくといったかんじです。」
Tカウンセラーの意見としては、摂食障害の原因の根本はその人自身の「確立されていない自己」にあるという。
きっかけは、人さまざまではあるが、「自己」が「確立」されていれば、ダイエットであっても、拒食や過食に陥るまで続けずにやめてしまうという。
しかし、「自己」が「確立」されていない人は摂食障害に至るまでダイエットを続けてしまうという。「確立されていない自己」の周りに文化的、社会的(ジェンダーなど)な問題が覆いかぶさりその影響を受けて摂食障害が発病するというものである。
そんな風に専ら確立されていない自己に理由があると主張した精神科医の方。でも、私はそんなふうには思えなかった。
やはり、いまだに女性を取り巻いているジェンダーの問題に原因があると思われ。
私たちの身近にある女性誌やTV、なんかのメディアは専らきれいで細いことを女性に要求している。芸人とかによくいるブスキャラはヨゴレ扱い(ギャグなんだけどね)され、きれいな女性はもてはやされる。そんな社会構造にも問題があるのでは?と思ったりする。
歴史的に見ても、女性を取り巻く環境やジェンダーの問題が密接に関連している摂食障害という問題は、「女性役割」、「女性性」、「母性」を持つことこそが女性の生き方であるといったような偏見から離れ、客観的に検証してみることから始まる。建前としては男女平等を認める近代市民社会と、近代家族が生みだす近代市民社会における男性が「主体」、女性が「客体」というジェンダーの影響を受け、女性は「人間は精神として評価される」「人間は身体として評価される」という矛盾の間で大きな葛藤を繰り返す。
その中で、主に映像メディアなどによって「美」や「やせ」に女性の価値観を見出す社会は、女性を摂食障害に陥らせる危険性がある。また、摂食障害の本人の精神面に摂食障害の原因があるとされる「摂食障害の内面化(浅野1995)」は、ジェンダーと摂食障害の関連性を全く無視してしまう危険性があるため大変危険である。みたいなかんじ。参考にした本は浅田千恵さんの「女はなぜやせようとするのか」。女性学などに興味のある人にはかなり面白いので読んでみる価値あり。
オンナ ノ 心 ト 体│
ピルとは?│
うつ病│
摂食障害